腰椎椎間板ヘルニア ※手術の適応 ※画像だけでは判断してはいけない

2019年10月03日(木)10:37 PM

腰椎椎間板ヘルニア
小 山 素 麿藤 沢 弘 範
はじめに
 腰痛や下肢の痛み,しびれを主訴とする疾患のなかで,腰椎椎間板ヘルニアはその代表的疾患である. 一方で,症候学的に 多くの 類似疾患が存在 し,本疾患が 誤 診 さ れている可能は高い.したがって,本稿では腰椎椎間板ヘルニアの診断,手術にっいて,卞としてこの分野の初心者が陥りやすいポイントに注目して論述する.


疾患の概念と病態
椎間板は胎生期の脊索に由来し, 1.下に存在する椎体の終板,周囲の線維輪,内部の髄核から構成される.正常に機能する場合,椎間板は椎体の動きに対して衝撃吸収装置の働きをしている.
 髄核は加齢とともにその水分量を減じ, その弾性を失う.一方で,椎間板 は 20 代半 ば まで は 固有 の 血管に栄 養されるが,30代になると無血管となり,終板を介するリンパの拡散のみから栄養を受ける.無血管となった椎間板,特に線維輪は修復性が悪く,機械的損傷に対し脆弱となる.これら加齢による水分量の減少,固有栄養血管の消失と繰り返される機械的損傷が椎間板の変性をもたらす.衝撃吸収装置としての椎間板の機能が低下するにつれ,反応性に椎体辺縁の骨棘形成,椎問関節の肥厚を繰り返す。
 1 回の外力が線維輪の断裂を生ずるのに十分な場合,あるいは椎間板の変性のうえにある一定の力が加わった場合,髄核が線維輪内や脊椎管内に脱出し,いわゆる椎間板ヘルニアの状態となる.椎間板の一部は膨隆しているが,椎間板線維輪の外層が破れていない状態をprotru・sion という.椎間板の内容(髄核〉が線維輪を穿破したときをprolapse とよび,これには後縦靭帯下に留まるもの, 脊椎管内に完全に遊離したものとが含まれる.臨床的には,protrusion,あるいはprolapse した椎間板が神経根や硬膜嚢を圧迫,牽引したり,その周囲に炎症を誘発したりした時のみ問題となる.


手術適応
 腰椎椎間板ヘルニアの多くは急性期の保存的療法が適切であれば, 外科的療法は不要である
一時的にヘルニアが伸経根を圧迫, 絞扼しても, 神経根を巻き込まずに線維性の修復を始めれば症状は消退する. 手術の絶対的適応があるのは排尿障害を伴った急性馬尾症候群で,緊急MRI が施行できない場合には, 手術の準備を完了してから脊髄撮影を行う.麻痺,痛み,しびれなどの神経症状が進行性に増悪する場合,保存的治療では完治が望めない場合などにも手術適応がある.手
術適応は臨床経過, 神経学的所見と画像診断を対比して決定すべきであり,画像所見のみ,特にMRI 所見のみで手術を計画すべきではない.慢性に経過した場合, 驚くほど大きなヘルニアを認めても臨床的には無症状である場合が少なくない.T2 −WI は椎間板の変性を判定するにはよいが, 圧迫の程度をみる場合には過度に表現されることを肝に銘ずるべきである.
まとめ
 腰椎椎間板ヘル= アを診断する場合, 神経学的検査,種々の画像診断を的確に行い, 総合的に判断すべきであり決して画像診断を優先させてはならない.手術の適応は排尿障害を伴った急性馬尾障害を除いて絶対的なものはなく, それ以外の場合には患者に手術の必要性やメリットあるいはデメリットを十分に納得させたうえで手術を計画する.
       
要  旨
腰椎椎間板ヘルニア
小山 素麿  藤沢 弘範
 腰痛や下肢の痛み,しびれを訴える疾患のなかで,腰椎椎間板ヘルニアはその代表的疾患である.
しかし,一方で同様の症候を示す腰椎椎間板ヘルニア類似の疾患が多く存在する.MRI の登場により
容易に椎間板ヘルニアの診断が可能となった反面,それによりoversur8ery ,真の病変が見逃され
てしまうなど弊害が生じているのが現状である,そこで本稿では腰椎椎間板ヘルニアの臨床,特にそ
の診断と外科的治療のDitfallS について論述した.
 診断には神経学的検査,種々の画像診断を的確に行い,総合的に判断すべきである.手術の絶対適
応は排尿障害を伴った急性馬尾症候群であり,治療には手術顕微鏡を使用したdisectomy を行う.
脳外誌 4104 −110, 1995
110 脳外誌 4 巻2号1995 年3 月
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